28年6月定例会・町長提案理由説明

公開日 2016年05月01日

【はじめに】
皆さんおはようございます。
水田の田植えもほぼ終わり、山々の緑も一段と深くなってまいりました。そろそろ梅雨を迎える季節であります。平年ですと、6月8日頃、昨年は若干早く、6月3日頃の梅雨入りだったとのことであります。
今年は「数え」で7年にいっぺんの「諏訪大社の御柱」の年でもありまして、下諏訪町との従前からの交流のなかで、4月、5月には、木落しや里曳きなど見学をさせていただきました。相変わらず、壮大なお祭りだと、改めて感心・感動をしたところであります。
さて、本日はここに6月定例議会を招集いたしましたところ、2人の議員さんが欠席とのことでありますが、たいへんお忙しい中、それぞれ議員各位のご出席を賜り、開会できますことに厚く御礼を申し上げます。

【熊本地震】
はじめに、去る4月14日の夜半以降、気象庁の震度の段階としては最も大きい「震度7」の地震が2回、「震度6強」も2回、「震度6弱」も3回、その後も多くの余震を記録している、熊本・大分地方を中心とした「熊本地震」は、多くの犠牲者を生み、今もって多くの皆さんが避難生活を強いられています。改めて亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、避難生活を余儀なくされている方々に深くお見舞いを申し上げます。
町としましても、早い段階から、県が取りまとめた物資支援に協力する一方、義援金の募集にも取り組みました。6月30日までを期間として数回に分けて送金をする予定ですが、第1回目は、町民の皆さんなどのご協力もいただく中で、50万円を送金することが出来ました。厚く御礼を申し上げます。このほか、「町村会」の依頼があり、公費義援金として、議会の皆様のご理解をいただき、55万円を別途送金したところであります。一日も早い復旧と避難生活の解消を、心から願うものであります。

【国内の動き】
さて、既にご承知のように、5月26、27日には、主要7カ国(G7)首脳会議・サミットが、三重県の伊勢・志摩において開催をされました。27日には、世界経済を支えていくため、「経済政策による対応を協力・強化していく」などとした「首脳宣言」を採択し、サミットの議長として安倍首相が記者会見をし閉幕となりました。そのあと、アメリカのオバマ大統領が、現職アメリカ大統領としては初めて、広島を訪ずれ慰霊碑に献花するとともに、「核兵器なき世界」の実現など声明を発表しました。 また、サミットの中では、「現在、世界経済はリーマンショック直前の情勢に非常に似かよっているという分析資料も提出をされました。これらのことを受けながら、国内で来年4月に予定されている消費税10%への引き上げが再延期されるのでないかという見方が強まっているようであります。
さらに、消費税引き上げ問題と並んで関心がもたれている、7月の参議院議員選挙において、衆議院議員選挙も同日に執行するという「衆参ダブル選挙については、その可能性が低くなった状況にあるようですが、最終結論は、6月1日ということになるのでしょうか。

【長野県の石】
話は変わりますが、この5月10日、たいへんうれしいニュースを耳にすることが出来ました。「日本地質学会」が、47都道府県で産出する特徴的な岩石、鉱物、化石を1つずつ選び、それぞれ「県の石」として認定しました。この中で、長野県におきましては、岩石として「黒耀石」、鉱物として「ざくろ石」、化石として「ナウマンゾウ」が選ばれました。このうち、「黒耀石」と「ざくろ石」については、和田峠・星糞峠一帯が産地ということで、「県の石」の2つが我が長和町に係わるものであります。この機会を捉え、様々な場面で、宣伝文句として利用していければと考えております。
【新庁舎】
役場新庁舎も、2月15日の開庁以来、3ヶ月あまりが過ぎました。町内の保育園や小学校の子供たち、県内の町村役場の皆さん、県、国の関係機関など多くの皆さんに視察に来ていただいております。町内産の木材をふんだんに使い、中山道の歴史を感じさせる建物に、皆さん一同に、明るくて、木の「ぬくもり」が感じられて、すばらしいねとおっしゃってくださいます。長和町にある工場から製造された「カラマツ集成材」もふんだんに使われています。この集成材に関連しますが、春の叙勲では、長和町の齋藤木材工業の斉藤敏会長さんが「旭日小綬章」を受章されました。おめでたいことが重なり、たいへんうれしく思っております。
また、新庁舎の「町民ホール」につきましても、様々な打合せの場として、あるいは見学会、黒耀石大使の説明会、「つるしかざり」教室の皆さんの作品展示、音楽の練習の場など、町民の皆さんに自由に使っていただきたいというコンセプトの中で、多くの皆さんに利用され始めています。今後もより一層その活用を図って参りたいと思っております。

【国際交流】
平成24年から開始しました、イギリスのセットフォードとの国際交流でありますが、本年度の当初予算でも事業としてお認めいただきました「黒耀石大使」につきまして、5年目にして初めて長和町の子供たちをイギリスへ派遣できることに大きな喜びを感じております。当初、この小さな町で、どれくらいの希望者がいるのかと心配をしておりましたが、14名もの中学生・高校生に応募をいただきました。全員の皆さんがとてもしっかりした気持ちや考え、行動力を兼ね備え、とても良い黒耀石大使の一団になると確信しております。今回の補正予算におきまして、派遣に係る予算の増額をお願いしご審議いただきますが、是非とも全員の子供たちの希望をかなえてあげたいと思っております。
また、他にも様々な形での国際交流の推進を模索する中で、現在、「ダッタンそば」による「モンゴル」との交流のお話も浮上しており、モンゴルにおけるダッタンそば栽培などを通しての交流に向け、6月、関係する職員を派遣する予定でおります。

【地方創生・地域おこし協力隊】
「地方創生」につきましては、昨年、町の実情に即した「長和町まち・ひと・しごと創生総合戦略」と「長和町人口ビジョン」を策定しました。それに基づいて地域資源を掘り起こす中で、「しごと」「ひとの流れ」を創出し、将来にわたって着実に歩んでいく長和町を目指し、平成28年度予算におきましても、様々な事業を地方創生事業として位置づけ、取り組んでおります。
この「地方創生」とも密接に関連します「地域おこし協力隊」制度につきましては、昨年初めて導入を試み、2名の隊員の方を町にお迎えし、特産品等の開発などに力を入れていただいております。本年度につきましては、予算上3名の隊員を予定し、それぞれのミッションを設定しながら、第2次の募集の中で、 11名の応募があり、過日、最終面接を終え、3名の隊員を採用していきたいということで進めているところであります。

それでは今議会に提案をさせていただきました専決報告案12件、条例改正案2件、補正予算案3件の全17案件につきまして、順次説明させていただきます。

【専決条例案件】
最初に、条例に係わる専決処分案件でありますが、
報告第11号 「長和町税条例の一部を改正する条例」につきましては、地方税法等の一部を改正する法律が平成28年3月31日にそれぞれ公布され、4月1日に施行された関係から、町の税条例の改正が必要なものについて、全て準則どおり、本年3月31日付けで専決処分により改正させていただきました。法人税の均等割については制限税率から標準税率へ変更する内容も含んでおります。
次に、報告第12号 「長和町固定資産評価審査委員会条例の一部を改正する条例」につきましては、行政不服審査法が本年4月1日に施行されることに伴う、所要の規定の整備を行うため、3月31日付けで専決処分により改正させていただきました。
次に、報告第13号 「長和町国民健康保険税条例の一部を改正する条例」につきましても、地方税法等の一部を改正する政令が3月31日に交付されたことに伴い、同日付で専決処分により改正させていただきました。

【専決補正予算案件】
次に、同じく平成28年3月31日付けで専決処分させていただきました補正予算の関係についてご説明申し上げます。
最初に、報告第14号 平成27年度長和町一般会計補正予算(第6号)でありますが、歳入では、地方譲与税、各交付金、地方交付税、国及び県からの負担金・補助金の確定に伴う補正、地方債の補正が主なものとなっております。この内、地方交付税の関係では、特別交付税の3月交付分の額が確定したことから、交付額に合わせて補正させていただきました。
歳出につきましては、3月定例議会提出の補正予算の取りまとめ後に変動をきたしたものに係る補正であります。国・県の補助事業及び地方債に関わる事業の補正など、各種事務事業の清算に伴う補正が主なものとなっております。
この中で、基金積立てとして、財政調整基金へ1億7000万円、有線放送施設基金へ515万1千円の積立てを行うことができました。また、国民健康保険特別会計において療養給付費が大幅に伸びたことから、民生費において、運営支援分を繰出す補正予算を計上させていただきました。
また、繰越明許費の関係でありますが、「新庁舎建設事業」、「情報セキュリティ強化対策工事」、地方創生関連事業の「ワイン産業プロジェクト展開事業」、「真田丸の里信州小県ご当地蕎麦イベント事業」、「ビーナスライン広域連携事業」を新たに追加させていただきました。また、3月議会において繰越明許費としてお認めをいただきました「北古屋藤見町道路改良事業」と「四泊7号線道路改良事業」につきましては、繰越額の変更をお願いするものであります。
一般会計全体では、1億7186万6千円の補正増となり、補正後の予算総額は、68億823万2千円であります。

次に、報告第15号 平成27年度国民健康保険特別会計補正予算(第4号)から 報告第22号 平成27年度和田財産区特別会計補正予算(第2号)の各特別会計の補正予算につきましては、先程、一般会計補正予算の説明の中で触れさせていただきました、国民健康保険運営支援に係る一般会計繰入金に係る補正予算を計上させていただいたほか、一般会計と同様に各種事務事業の清算に伴う補正が主なものとなっております。

【条例案件】
次に、議案第58号 「長和町長期総合計画策定条例」の制定につきましてご説明申し上げます。
平成23年の地方自治法の改正により、それまで義務付けられていた「基本構想」の策定義務がなくなりましたが、同日付で総務大臣から引き続き個々の自治体の判断で、地方議会の議決を経て、基本構想の策定ができる旨の通知が出されており、この通知に基づき「長和町長期総合計画策定条例」を新たに制定したいという内容であります。

次に、議案第59号 「長和町電気自動車等用充電器の設置及び運用に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、この3月に条例としてお認めいただいたわけですが、なお一層の利用の促進を図る上で、電気自動車所有者の多くの皆さんが使用している提携カードの利用が可能になるようにするための条例の一部改正をお願いするものであります。

【補正予算】
次に、議案第60号 平成28年度長和町一般会計補正予算(第1号)につきまして、主な内容をご説明申し上げます。
総務費関係では、いわゆる「マイナンバー法」において、個人番号や個人情報の漏えい等が無いよう、安全管理措置を講じなければならないとされているため、これに対応するための予算を計上させていただきました。
民生費関係では、臨時福祉給付金及び低所得障害・遺族年金受給者向け給付金に係る予算を計上させていただきました。
衛生費関係では、水道特別会計への繰出金を増額する予算を計上させていただきました。長門簡易水道改良事業の国庫補助金の減額に伴い、減額分を起債により対応することによるもので、歳入においては、過疎対策事業債を増額する予算を計上させていただいております。
農林水産業費関係では、地方創生関連事業を減額する補正予算を計上させていただきました。これは、ワイン産業プロジェクト展開事業を平成27年度の「地方創生加速化交付金」において対応することとしたことによるものです。
教育関係では、歴史遺産を活かした国際交流事業につきまして、当初予算においては、各科目ごとに予算計上されていました事業費を、国際交流事業実行委員会への補助金として予算計上するための科目の組み替えを行うとともに、青少年黒耀石大使の派遣に係る予算を10名分から14名分に増額する補正予算を計上させていただきました。
一方、歳入におきましては、歳出予算の補正に伴う国庫支出金及び町債の補正予算が主な内容となっております。補正額は2488万6千円であり、補正後の予算総額は57億5488万6千円となります。
次に、議案第61号 平成28年度長和町水道特別補正予算(第1号)及び 議案第62号 平成28年度長和町特定環境保全公共下水道事業特別会計補正予算(第1号)につきまして、
水道特別会計の補正予算は、「長門簡易水道改良工事」に係る歳入の補正ですが、本事業に係る国庫補助金の内示額が示されましたが、当初予算額より減額となってしまったため、交付金の減額に係る予算と、この減額分に対応した簡易水道事業債及び過疎対策事業債を財源とする一般会計繰入金の増額に係る予算を計上させていただきました。
特定環境保全公共下水道事業特別会計の補正予算は、下水道事業計画変更業務に係る補正であります。この事業につきましては、平成27年度予算に計上させていただいておりましたが、今年度から建設を始めるし尿処理施設及び下水道法の改正に伴い、平成27年度での事業実施が困難となってしまったため、平成27年度で計上されていた予算を全額減額し、平成28年度予算に改めて計上するものであり、財源は繰越金の増額により対応させていただくものであります。

以上、本定例会に提案させていただきました報告案件及び議案について概要を説明させていただきましたが、詳細につきましてはご審議の際、それぞれ担当者より説明を申し上げますので、原案をご承認賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。