公開日 2016年11月01日
最終更新日 2017年03月15日
日頃、下水道事業に深いご理解、ご協力を賜り誠にありがとうございます。
下水道が供用開始されてから20年近くが経過しようとしておりますが、水洗化率は90%を超え、下水道への理解も高まっております。しかしながら、県内県外をみましても誤った利用方法による水質事故等は、あとをたちません。
当町においても、ラーメン店の動植物性油脂類が原因で、下水道本管がラードで詰まり、周辺住民の下水道が使用出来なくなるトラブルが続いております。そこで、グリストラップを使用されている事業者におかれましては、下に記載いたしました事項をご確認いただき、日頃の維持管理方法の見直し、清掃の徹底を行っていただきますようお願いいたします。
1.動植物油類の下水道施設等への影響
(1)条例における基準
動植物性油脂類を下水道へ流す場合、放流基準である『動植物油脂類含有量 30mg/ℓ以下』を遵守しなければなりません。
(2)店舗での悪臭の発生
グリストラップの日常管理を怠りますと、「槽内の汚水」や分離した「動植物油」が腐敗し、悪臭を発散し、お客様や周辺の皆様に不快感を 与えることとなります。
(3)下水道施設への影響
1)下水管への影響
- 管路内の閉塞による下水の流下不良の発生特に、ラード等常温で固まる油脂類は、その他の夾雑物と混合して下水管内に付着し、下水道の流れを悪くし場合によっては下水管を閉塞させてしまうこともあります。→汚水の逆流、流出
- マンホール内やポンプ場内への影響
油類を含んだ「ごみ(=スカム)」の大量発生による汚損、ポンプの作動不良や異常警報の発令などの原因となります。
2)下水道処理施設への影響
① 浄化機能への影響
長門浄化センターでは、微生物による汚水の浄化(活性汚泥法)が行われていますが、下水を微生物により処理するとき、油類は下水の表面を覆い、空気中の酸素が水中に溶解するのを妨げるばかりか、活性汚泥内に包含され、その浄化機能や沈殿分離を阻害し処理機能を低下させてしまいます。また、汚泥処理におけるろ過や脱水にも影響を与えます。
- 沈殿池・放流水への影響
油類は水より軽いため十分処理できない場合、表面に油分を含んだスカムがたくさん浮いてしまうばかりでなく、放流水とともに流れ出し、河川(依田川)の汚濁を招いてしまうことになります。
④ 設備への影響
特にラード系の油脂類は、ポンプケーブル等の設備が劣化する原因となり、交換や修繕に費用が必要となります。
参考:グリーストラップの清掃方法
①バスケットの清掃は毎日行いましょう
本体のバスケットは、ゴミ・カスなどを受けるためのものです。少なくとも1日1回は取り外して清掃しましょう。また、他の目的には使用しないでください。
②油脂分の回収【清掃時期の目安:週1回】
油脂(ラード)類は本体内に浮いて溜まりますので、少なくとも1週間に1回はすくい上げて回収してください。
.③底部沈殿物の除去【清掃時期の目安:月1回】
本体底部には沈殿物が溜まりますので、少なくとも1ヶ月に1回はすくい上げ除去してください。
④トラップ内部の清掃【清掃時期の目安:2~3ヶ月に1回】
トラップ内部は2~3ヶ月に1回清掃してください。トラップ管に付いているキャップは臭気止めですから、清掃時以外は絶対に取り外さないでください。
※掃除口のキャップは忘れず元の位置へ戻しましょう