令和5年3月 長和町議会第1回定例会 町長提案理由
令和5年3月 長和町議会第1回定例会 町長提案理由
令和5年2月28日
【はじめに】
皆さん、おはようございます。
今年の冬は、1月に10年に1度といわれるような最強クラスの寒波が襲来するなど、
厳しい冬のように感じておりましたが、この頃は日に日に春らしさを感じる様になって参りました。
各家庭ではそろそろ春の訪れを告げるフキノトウも食卓に並ぶ頃かと、待ち遠しく思っているところでございます。
本日は、長和町議会3月定例会を招集いたしましたところ、大変お忙しい中、
議員全員(各位)の御出席を賜り開会できますことに、心より感謝を申し上げる次第であります。
【新型コロナウイルス感染症】
さて、新型コロナウイルス感染症につきましては、第8波も落ち付いてまいりましたが、
国では5月から感染症分類を2類から5類への変更すること、またマスクの着用の考え方につきましては、
3月13日より個人の判断にゆだねることなど、相次いで発表をしております。
また、長野県におきましても、
医療提供体制への負荷が軽減されたものと認められることから、2月10日「医療特別警報」を解除しました。
さらに、2月21日には上田圏域の直近一週間の人口10万人当たりの新規陽性者が150人を下回っていることから、
感染警戒レベルをレベル3から小康期に移行いたしました。
なお、引き続き、第8波の収束に向けた取組を着実に進めるとともに、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ変更も見据え、
長野県との情報の共有を図り、町民皆様の命と健康を守るための取組を全力で進めてまいります。
【社会・経済情勢】
さて、2月6日にトルコ南部で相次いで発生したマグニチュード7を超える地震では、
多くの建物が倒壊し、国境を接するシリアとあわせて死者の数も5万人以上にのぼっております。
奇しくも今議会会期中の3月11日には、東日本大震災から12年目を迎えます。
地震などの自然災害は、いつ、どこで起こるかわからないこと、ひとたび発生すれば、
多くの人命が失われ、インフラ設備などにも甚大な被害を及ぼします。
この度の地震でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますと共に、一日も早い復興を願うものであります。
そして、当町におきましても、自然災害に対する備えをしっかり進めてまいりたいと、改めて痛感したところでございます。
また、この24日で、ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経過しましたが、依然として戦闘は続いており、多くの死傷者が出ております。
戦争は経済の混乱を引き起こし、原油や天然ガスに小麦など、食料やエネルギーの高騰をもたらし、
これらの価格上昇が更に各国のインフレを押し上げることとなり、貿易や金融など世界経済にも大きな影響と混乱をもたらしています。
プーチン政権や大国ロシア、そして東アジア、国際政治が今後どうなっていくのか見通せない状況の中、
この不毛な戦争が一日も早く終息を迎えるよう心から願うものであります。
一方で明るいニュースとしましては、5年ぶりにWBCワールドベースボールクラッシックが3月より開催されます。
日本チームの健闘を期待したいと思います。
【承認・条例案件】
それでは、本議会に提案申し上げました議案につきまして、順次説明いたします。
まず、承認第1号「専決処分した令和4年度長和町一般会計補正予算(第11号)」についてであります。
主には、現在の最優先課題と言えます、新型コロナウイルス感染症関連事業で、
地方創生臨時交付金事業として実施しております事業の確定や見込みに伴う事業費及び事業内容の変更、
既存事業への財源の充当、新規事業への取り組み、国から新たに示されました、
妊娠届出時から伴走型相談支援の充実を図るための、出産・子育て応援給付金事業経費について専決処分を行ったもので、
財源については国・県の支出金並びに繰入金を充てております。
次に、議案第3号から第9号までの条例案件を説明いたします。
議案第3号「長和町家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、
バス送迎に係る児童の安全管理の徹底など、国の改正に準じた改正を行うものです。
次に、議案第4号「長和町空家等の適正管理に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、
空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律)との整合を図るための改正となっております。
次に、議案第5号「国民健康保険税条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、
国民健康保険税の県統一化を進めるために、毎年度段階的に税率の改正を行っていくものであります。
次に、議案第6号「長和町一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、
国や都道府県と同様に55歳を 超える職員の昇給抑制し、勤務成績が特に良好である場合のみ昇給する改正となっております。
次に、議案第7号「長和町田舎暮らし体験住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、
田舎暮らし体験住宅にシェアハウスとしての機能を追加し、移住定住を検討している者に対し、
一時的な住居を提供すること、また使用料を貸付料とする改正となっております。
次に、議案第8号「長和町営住宅条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、
解体を行った住宅について、条例に規定する別表から 削除をした改正となっております。
次に、議案第9号「長和町和田財産区管理会個人情報の保護に関する法律施行条例」の制定につきましては、
個人情報の保護に関する法律の改正により、地方公共団体、一部事務組合、広域連合及び地方独立行政法人に対しても、
令和5年4月1日から施行されるため、必要な条例を整備するものであります。
【予算編成方針】
次に予算関係でありますが、始めに令和5年度予算編成にあたっては国の動向、急激に変化する社会経済情勢の動向を踏まえ、
第2次長和町 長期総合計画後期基本計画、第2次長和町まち・ひと・しごと創生総合戦略、そして私の公約でございます
『Nagawa Next VisionⅤ』を指針とし、町がおかれている厳しい財政状況を考慮しながらも、
「誰一人取り残さない持続可能な長和町」を目指して編成作業を行いました。
社会経済情勢の変化、人口減少や少子高齢化といったこれまでの課題に加えて、新型コロナウイルス感染症への対応、
デジタルトランスフォーメーションに向けた取組み、脱炭素の推進、持続可能な開発目標(SDGs)の推進などに対応していくため、
令和5年度予算においては、限られた財源を有効活用すると共に、新たな課題にも対応しつつ、長和町の発展、安心・安全な暮らし、
豊かな地域社会、町民の皆さまの「しあわせ長和町」につながる必要な事業を着実に実施できるような予算としました。
【令和5年度予算の概要】
令和5年度長和町一般会計当初予算は総額56億6,300万円で、前年度当初予算と比較すると2億5,700万円、4.3%の減となりました。
特別会計6会計につきましては、合計額で20億8,681万円となり、
前年度当初予算額と比較し2,241万円、率にして、1.1%の減となっております。
総額では77億4,981万円の予算案といたしました。
それでは先ず、議案第10号 令和5年度長和町一般会計予算について、主な内容を説明いたします。
新型コロナウイルス感染症につきましては、交付金事業の推進を基軸に関連する支援などにつきましても積極的に取り組みつつ、
令和元年東日本台風災害及び令和3年度災害の被災箇所の復旧完了を目指します。
また、『Nagawa Next Vision Ⅴ』に掲げました8つの宣言、101の約束について、健全な財政運営に配慮しながら、
引き続き効率的な事業実施に努めて参ります。
新規事業として、議会における会議用タブレット端末、地域アプリ、書かない窓口システムの導入を行うなど、
デジタル化を進めるための事業に取り組むほか、仮称ではありますが地域脱炭素化実行計画の策定を進め、
長和町における脱炭素に向けて鋭意取り組んでまいります。
このほかの行政サービスの充実や行政改革の推進につきましても、町民の皆さんに対して、
質の高い安定した行政サービスを提供するべく、引き続き推進して参りたいと考えておりますので、
ご理解とご協力のほど、よろしくお願いを申し上げます。
【特別会計】
次に、議案第11号 令和5年度長和町国民健康保険特別会計予算から
議案第17号 令和5年度長和町和田財産区特別会計予算について説明をさせていただきます。
最初に、国民健康保険特別会計でありますが、当初予算額は前年度と比較して1,800万円減額の7億9,000万円といたしました。
歳入では、保険給付費等交付金を、歳出では、一般被保険者療養給付費等の保険給付費をそれぞれ減額で見込みました。
国民健康保険歯科診療所事業特別会計につきましては、
診療報酬に係る会計でありますが、前年度と同額となる1,500万円の予算額とさせていただきました。
後期高齢者医療特別会計につきましては、
前年度と同額となる9,300万円とし、主に歳入では、後期高齢者医療保険料、保険基盤安定繰入金を、
歳出では、後期高齢者医療広域連合への納付金等を計上させていただきました。
介護保険特別会計につきましては、
前年度より1,100万円減額の10億8,500万円の予算額とさせていただきました。
主な内容は、保険料の増額、繰入金、基金積立金に関するものの減額となる予算を計上させていただきました。
同和地区住宅新築資金など貸付特別会計につきましては、
前年度より、139万円増額の661万円とさせていただきました。
観光施設事業特別会計につきましては、前年度より520万円増額し、予算額は9,720万円としております。
和田財産区特別会計につきましては、前年度より50万円減額し、予算額は320万円としております。
【企業会計:上水道事業・公共下水道事業予算】
次に、議案第18号 令和5年度長和町上水道事業会計予算及び
議案第19号 令和5年度長和町公共下水道事業及び排水処理施設事業会計予算の企業会計について、説明をさせていただきます。
上水道事業会計予算につきましては、これまで通り適切な水の供給に努めるとともに、
継続して引き続き本格的に修繕事業に取り組み、設備の長寿命化を図って参ります。
公共下水道事業関係予算につきましては、公営企業法を適用した企業会計に移行し一定期間経過をいたしますので、
決算状況を踏まえ、経営の独立採算を目指した、健全化を研究・検討し今後の取り組み方針を定めて参りたいと考えております。
以上、一般会計から企業会計までの令和5年度予算の概要となります。
【補正予算】
続きまして、議案第20号 令和4年度長和町一般会計補正予算(第12号)から
議案第27号 令和4年度長和町公共下水道事業及び排水処理施設事業会計補正予算(第2号)
までの特別会計及び企業会計の補正予算につきまして説明をさせていただきます。
まず、一般会計の補正につきましては、各費目おいて増加するものもございますが、
事業の進捗や実績による事業費の確定に伴う減額が主なものとなっております。
また、国の補正予算を受けて実施いたします、和田小学校ランチルーム改修事業の前倒しが増額となっております。
一般会計全体で5,733万8千円を減額し、補正後の総額は、66億6,992万1千円でございます。
特別会計等におきましても、事業完了に伴う精算及び実績見込みに 伴う補正が主な補正の内容となっております。
【その他案件】
次に、議案第28号並びに議案第29号の指定管理者の指定について でございます。
議案第28号につきましては、引き続き「株式会社 マルメロエイト」を指定管理者とするものでございます。
議案第29号につきましては、引き続き、「株式会社長和町振興公社」を指定管理者とするものでございます。
次に、議案第30号につきましては、町道路線の認定について議決をお願いするものでございます。
最後になりますが、議案第31号 上田地域広域連合ふるさと基金に係る権利の一部を放棄することについてであります。
これは、例年と同様に令和5年度に実施する地域医療対策事業に基金を取り崩して充当するものであります。
以上、本定例会に提案させていただきました案件について、概要を説明させていただきました。
詳細につきましては、御審議の際、それぞれの担当者より説明を申し上げますので、
原案を御承認賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明といたします。

令和5年2月28日
長和町長 羽田健一郎