令和5年9月 長和町議会第3回定例会 町長提案理由
令和5年9月 長和町議会第3回定例会 町長提案理由
令和5年8月31日
【はじめに】
皆さんおはようございます。
本日ここに、長和町議会9月定例会を招集いたしましたところ、
大変 お忙しい中、議員全員(各位)の出席を賜り開会できますことに、心より感謝申し上げる次第であります。
さて、今年度もはや5か月が過ぎようとしております。
今年の夏は、梅雨明け以降、熱中症警戒アラートも多く発出され、同時に危険な暑さと共に各地で記録的な猛暑日が連日続いております。
これは、これから迎えます実りの秋の農作物などへの影響が非常に憂慮され、その動向も注視するところでございます。
併せてお盆前に発生した台風第7号の影響により、山陰地方で線状降水帯の発生による記録的短時間大雨で大きな災害をもたらしました。
幸いここ長和の里は、ここまで大雨による被害を受けることなく過ごすことができましたが、これから台風シーズンを迎えますので、
豪雨災害など有事の際を想定した万全の準備としっかりとした体制により対策を行って参りたいと考えるところでございます。
【新型コロナウイルス感染症対策関係】
新型コロナウイルス感染症につきましては、この5月から感染症法上の分類が変更になり、個人の選択を尊重し、自主的な取り組みをベースとした対応に変わり、
コロナ禍からの正常化の動きは拍車がかかり、4年ぶりに開催されましたイベントや夏祭りなどにより活き活きとした賑わいを取り戻したシーンが各地で見られました。
長和町におきましても、4年ぶりに和田宿宿場まつりが開催され、多くの参加している皆様の「笑顔」に接する事が出来、皆、満喫しているさまが、とても眩しく見えたところでございました。
反面、5月以降、比較的にほぼ横ばいで推移していました、新型コロナウイルス感染症につきましては、お盆以降、医療機関や社会福祉施設などでの集団感染による増加もあり、
直近の定点当たりの患者届出数は9週連続の増加となり、入院者数が医療警報発出の目安である300人を超過したため、「5類」移行後、初めてとなる独自の「医療アラート」が、
この29日に発出されたところでございます。これは、5類移行前の「医療特別警報」に匹敵するもので、医療機関にも負担がかかりつつあります。
これからまた秋の観光シーズンを迎えるわけでありますが、新型コロナウイルス感染症ワクチンの秋開始接種につきましては、町では生後6か月以上で接種を希望するすべての方に10月下旬より、
現在の流行主流株であるオミクロンXBB対応ワクチンの接種を行うよう準備を進めております。
高齢者の皆さまなどは、春と秋の年2回、その他の皆さまは秋1回の接種となりますのでよろしくお願い申し上げますと共に、
引き続きの感染対策と、より一層の感染防止に努めていただきますよう、皆様のご協力を心よりお願いするものでございます。
【ウクライナ情勢・物価対策】
ロシア軍による突然のウクライナ軍事侵攻から、早くも1年半が過ぎました。戦線は膠着状況が続き、終戦がますます見通せない状況となっております。
この侵攻は原油の高騰や物価の上昇など、世界経済にも大きな影を落としており、大変憂慮するところでございますが、
幼い子どもたちなど社会的弱者が戦渦に巻き込まれる報道を目の当たりにするたびに心が痛むところでございます。この愚行の、1日も早い終結を心から切に願うものであります。
【令和4度事業実績等】
今議会は、令和4年度決算について認定をいただく議会でもありますので、昨年度の各事業の実績をもとに、所信の一旦を述べさせていただきたいと存じます。
まず、【総務課】に関係する事業ですが、公共交通の確保では、今後もより利用しやすい運行を心掛けてまいります。
危機管理関係では、消防団と資器材の充実や自主防災組織の設置を進めておりますが、引き続き積極的に推進し、住民の災害に対する意識向上を図ってまいります。
町税の関係でありますが、令和4年度の町税収入額は約7億4,800万円と前年度比4.5%の増となりました。
また、収納率の点では、全体で96.3%と前年度より0.2%減となりましたが、引続き適切な収納に努めて参りたいと考えております。
次に【企画財政課】に関係する部分ですが、町の令和4年度一般会計歳出決算額は、約71億1,100万円(7,111,504千円)となりました。
歳入決算額は約72億6,900万円(7,269,269千円)となっており、翌年度への繰越財源(20,272千円)を差し引いた実質収支は約1億3,700万円(137,493千円)となりました。
しかしながらこれは、1億6,000万円(166,653千円)を超える財政調整基金などの取崩しを行って事業の実施に充てた結果であり、
令和 4 年度は、令和3年度決算に伴う決算積立2億3,000万円の財政調整金への積立を行ってはおりますが、少子高齢化の進行等に加え、新型コロナウイルス感染症による社会情勢の変化、
また、ロシアのウクライナ侵攻に伴う物価高騰等により、今後も大変厳しい財政運営が続くと思われます。
これからも一層の創意工夫に富んだ財政運営の取り組みに努めてまいりたいと考えております。
移住・定住に関しましては、さらに空き家バンク制度を充実させるとともに、シェアハウス機能を追加した「田舎暮らし体験住宅」を活用して町の魅力を発信していきたいと考えています。
また、町営住宅の適切な管理や宅地分譲によって定住者の増加を図り、人口減少に歯止めをかけてまいりたいと考えております。
このほか、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」などに基づく事業の推進も更に効果的な取り組みを図り、だれ一人取り残さない持続可能な、しあわせ長和町の実現、そして町の活性化に努めてまいります。
次に、【情報広報課】の関係では、毎月発行しております「広報ながわ」が令和4年5月で200号を迎え、
100号以降これまでの主な出来事の特集記事を掲載するとともに、読者投票で決定した表紙のロゴタイトルの変更を行いました。
また国が進める、地域社会のデジタル化促進に伴う、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画に対応するため、町の推進本部、若手職員による本部会を立ち上げ、行政サービスのデジタル化に向けた検討を始め、
新しい情報発信ツールの「地域アプリ」の開発やタブレット等を活用した「書かない窓口」の導入準備に着手し、両事業とも国のデジタル田園都市国家構想交付金の事業採択を受けました。
次に、【町民福祉課】の関係では、各係とも関係機関等と連携を図り適正に事業を実施いたしました。
その中で、窓口係では、各種証明書のコンビニ交付サービスシステムの構築を図り、令和5年2月よりサービスを開始しました。
福祉係、高齢者支援係、生活環境係では、新型コロナウイルス感染症の影響や電力・ガス・食料品等価格高騰に対する支援として、低所得者世帯、福祉サービス提供事業者等に各種交付金を給付させていただきました。
また、町では、2022(令和4)年8月29日に気候非常事態を宣言し、地球温暖化対策に取り組むための「地方公共団体実行計画」策定に向け、環境省所管の補助金申請を含め、地球温暖化対策に向けてのスタートを切りました。
このほか4つの特別会計においても、関係機関等と連携を図り適正な運営を行ってまいりました。
住民の皆様、そして高齢者・障がい者やその家族からの相談や要望、また、住民の皆様の生活に直接係わる各事業を通じ、住み慣れた地域、長和町で安心・安全に生活できるよう努めました。
次に、【こども・健康推進課】の関係でございます。
令和4年度は、ながと・和田両保育園併せて127名の園児が元気に保育園生活を送りました。
心豊かに健やかに成長できるよう、子ども主体の保育を行うとともに小学校や地域との繋がりを大切にし、個別支援や家庭支援につきましても、関係機関等と連携しながら取り組んでおります。
子育て支援関係では、子どもは町や地域の宝として切れ目のない子育て支援事業の実施や支援センターの運営、児童手当の給付、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て世帯の生活を支援するための特別給付金を支給しました。
また、健康づくり関係では、健康はみんなの願いであり、みんなの幸せであることから、自分の健康への関心を高めるとともに健診など各種保健事業を行っております。
変異株の出現などにより第8波までの感染拡大を繰り返した新型コロナウイルス感染症の令和4年度ワクチン接種につきましては、
12歳以上のオミクロン株対応2価ワクチン等の追加接種、小児(5~11歳)の追加接種、乳幼児(6か月~4歳)の初回接種を行いました。
このほか、令和3年度から5年度までの3年間において、「信州大学 医学部 健康推進学講座」を設置し、肝臓の病気の早期発見・治療により
町全体でウイルス性肝炎撲滅を目指す取組みを行っており、令和5年4月現在において、20歳以上の約5割の方の血液検査が行われました。
通常の健診では、肝炎検査は行われておりませんので、この機会に受検くださいますようお願いいたします。
次に、【産業振興課】でございます。
最初に農政関係でございますが、和田宿ステーションの道の駅化に向けてトイレ等の改修工事を実施いたしました。
和田宿ステーションにつきましては令和元年度に実施した売り場拡張工事に併せ、今回トイレ等の改修を実施したことにより道の駅への登録申請を行い、2月末に道の駅に登録となりました。
この9月23日に道の駅登録票伝達式及びオープンセレモニーを開催し、供用開始になる予定でございます。
林務係の関係につきましては、有害鳥獣駆除対策事業としてニホンシカ914頭、イノシシ23頭を捕獲し、農作物被害の抑制に努めました。また、林業施設災害復旧として、繰越事業となっていました
台風19号豪雨災害林道施設災害復旧工事のほか、令和3年8月豪雨林道施設災害復旧工事を実施いたしました。
商工観光関係では、地方創生臨時交付金を活用し、「みんなで応援!長和の里地域いきいき券販売事業」を実施いたしました。
この事業はコロナ禍及びエネルギー価格高騰等により低迷している地域内の消費喚起を促すため、1万円のいきいき券を6,000円で購入できる、プレミアム率の高いいきいき券の販売を行ったものでございます。
また、観光振興といたしまして、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光業・飲食業等に対し、地方創生臨時交付金を活用し、さまざまな支援事業を実施いたしました。
株式会社長和町振興公社、株式会社マウント長和の関係については、スキー場、ふるさとセンターを株式会社マウント長和へ指定管理の変更を行うとともに、振興公社が所有していた有形固定資産のうち、
マウント長和へ指定管理変更した施設の関する資産を買い取り、マウント長和へ同額で売却いたしました。
また、原油高騰等の影響により、温泉施設の入館料の値上げについ「温泉料金検討委員会」を開催し入館料の値上げを行いました。
次に、【建設水道課】の関係でございます。
国の交付金事業である防災安全交付金等により古町学校道線道路防災工事2工区、転落防止柵修繕工事など2事業を実施いたしました。
また、単独事業としては、地域の要望に応え道路、四泊9号線道路改良工事等を実施してまいりました。
災害復旧事業に関しましては、令和4年度事業3箇所と事故繰越事業を23箇所、合計約1億8千400万円行ったところでございます。
また、農業用施設の災害費復旧費では、32箇所で約3億4千400万円を執行いたしました。
上下水道関係では、上下水道事業とも公営企業法適用となり、健全な経営に務め経営基盤の強化を図ってまいります。
また、別荘関係については、「長和町直営別荘地経営委員会」を定期的に開催しながら管理運営については少数精鋭で行っております。
次に、【教育課】に関する部分ですが、長門小学校においては169名の児童が、和田小学校では34名の児童が元気に学校生活を送りました。
GIGAスクール対応、ICT教育の推進のため、学習用ソフトの導入、電子黒板などの周辺機器の整備を引き続き行いました。
また、令和3年度・4年度2カ年の継続事業により長門小学校外壁・屋根など大規模改修工事を実施いたしました。予定していた全ての改修が終了致しました。
古町コミュニティセンター建設事業については、住民の皆様のご意見を考慮しながら事業を進め、昨年8月竣工し供用を開始しております。
今後も「山の子学園共同村」様と共に地域共生社会の実現、地域の拠点施設として多くの方に利用していただけるよう努めてまいります。
文化財の関係につきましては、長年にわたる取り組みにより、中山道の長久保宿本陣跡が、国の史跡に追加指定され
、座敷棟の土地建物を国庫補助事業により昨年度購入致しましたが、長久保宿の景観整備を継続して進めてまいります。
黒耀石の関連につきましては、アフターコロナの中、日本遺産や各テレビ局での紹介が加わり、
原始・古代ロマン体験館や黒耀石体験ミュージアムにおいても、利用者が急増するなどの波及効果が見られる1年でありました。
以上、令和4年度における各課の実施事業の実績をもとに、述べさせていただきました。
【町の財政運営・財政指標について】
続きまして、令和4年度決算における町の財政指標の主なものについて説明をさせていただきます。
まず、「実質公債費比率」でありますが、今回は10.3%となり、前年度の11.4%から1.1ポイント減少しました。
次に「将来負担比率」についてでありますが、前年度の57.3%から0.8ポイント増の58.1%となりました。
前年度と比較して「実質公債費比率」は減少、「将来負担比率」は上昇しておりますが、双方とも、財政健全化を図る基準を下回っておりますので、
令和4年度決算における財政健全化の状況は、全て健全な状況にあると言えます。
なお、健全化判断比率及び資金不足比率につきましては、本議会に報告案件として提出させていただいております。
【条例改正】
次に議案第54号「長和町特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例に一部を改正する条例」の制定につきましては、
引用します子ども・子育て支援法等の改正による項ずれなどを改正するものです。
【補正予算】
それでは、次に補正予算案7件につきまして、順次説明させていただきます。
最初に、議案第55号「令和5年度長和町一般会計補正予算(第7号)につきまして、主な内容を説明させていただきます。
歳出の関係では、総務費におきましては、空き家改修補助金の申請件数の増加に伴う増額補正、情報館関係の設備改修工事に係る増額補正等を計上させていただきました。
民生費の関係では、保育園児送迎時の保育園バスの児童置き去り防止装置に関する増額補正等を計上させていただきました。
衛生費の関係では、依田窪病院の電子カルテ更新に伴う町の健康管理システムの改修に伴う増額補正、
丸子クリーンセンター焼却炉修繕工事に伴う上田地域広域連合負担金の増額補正等を計上させていただきました。
農林水産業費の関係では、長門牧場の乳製品加工処理施設修繕に係る補正、町単応急耕地事業に係る補償料の減額補正、秋駆除に係る松くい虫防除委託料の増額補正、
鹿等の捕獲実績に伴う有害鳥獣駆除対策協議会補助金の増額補正等を計上させていただきました。
商工費につきましては、国・県の制度改正や対象者の見込み数に伴うUIJターン就業・創業移住支援事業補助の増額補正、
スポーツ庁の補助事業採択に伴う長和スポーツコミッションへ補助金に係る補正予算等を計上させていただきました。
土木費につきましては、舗装修繕や道路修繕に係る増額補正を、教育費につきましては、国庫補助事業の採択に伴う理科備品購入、
和田小学校ランチルーム空調設置工事に係る補正予算、長久保本陣関係の補償料等に係る補正予算を計上させていただきました。
災害復旧費に関しましては、この5月及び6月の大雨により発生した農道や林道の災害復旧に関する補正予算等を計上させていただきました。
これらの他に、4月の人事異動などに伴う人件費の補正も計上させていただいております。
次に、歳入の関係ですが、最初に地方交付税の関係につきまして、令和5年度の普通交付税の交付額が決定しましたので、
この関係の補正予算を計上させていただきました。令和5年度の普通交付税額は26億9,378万円となっています。
※令和4年度普通交付税:27億1,798万6千円
(△2,420万6千円、△0.9ポイント)
その他の関係につきましては、主に歳出に伴う財源としての国・県支出金等の補正のほか、令和4年度決算に伴う繰越金に係る補正や、繰入金におきましては、
財政調整基金繰入金の減額補正、森林環境譲与税及び有線放送施設改善基金繰入金の増額補正、起債額の減額調整に伴う町債の減額補正等を計上させていただいております。
以上、一般会計全体で1億948万3千円の増額補正をお願いするものであり、補正後の予算総額は、58億5,547万1千円であります。
続きまして、議案第56号「令和5年度長和町国民健康保険特別会計(事業勘定)補正予算(第2号)」から議案第62号
「令和5年度長和町公共下水道事業及び排水処理施設事業会計補正予算(第1号)」までの特別会計及び事業会計の補正予算についてご説明申し上げます。
これらの補正予算につきましては、令和4年度決算に伴う繰越金の補正が主なものとなっています。
繰越金関係以外の主な補正としまして、国民健康保険特別会計におきましては、令和4年度の普通交付金の清算に伴う雑入及び償還金、
給付金額の確定に伴う医療給付費、後期高齢者支援金、介護納付金に係る補正予算を計上させていただきました。
介護保険特別会計におきましては、基金からの繰入金及び国・支払基金への償還金に関する補正予算を計上させていただきました。
公共下水道事業及び排水処理施設事業会計につきましては、グループホームの新設に伴う下水道本管新設工事及び新規公共マスの設置工事に係る補正です。
以上、本定例会に提案させていただきました議案について概要を説明させていただきました。
詳細につきましてはご審議の際、それぞれ担当者より説明を申し上げますので、原案をご承認賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。

令和5年8月31日
長和町長 羽田健一郎