令和4年9月 長和町議会第3回定例会 町長提案理由

公開日 2022年09月05日

最終更新日 2022年09月05日

【はじめに】

皆さんおはようございます。

 本日ここに、長和町議会9月定例会を招集いたしましたところ、大変 お忙しい中、議員全員の出席を賜り開会できますことに、心より感謝申し上げる次第であります。

さて、今年度もはや5か月が過ぎようとしております。

今年の夏は、梅雨明けが例年になく早かったせいか、国内各地で線状降水帯の発生による記録的短時間大雨情報が頻発するなど、異常気象による影響が大変多かったわけですが、幸いにも長和の里は、ここまで昨年8月のような大雨による被害を受けることなく過ごすことができました。

今議会では、後ほど「長和町気候非常事態宣言」を行いますが、議員各位におかれましても、趣旨のご理解とご協力を切に願うものであります。

これからまた台風シーズンが到来するわけですが、町としましても、引き続き豪雨災害に対応した準備並びに対策をしっかり行ってまいりたいと考えております。

【新型コロナウイルス感染症対策関係】

新型コロナウイルス感染症につきましては、その状況が日々変わってきております。県内の陽性者は、7月上旬までは比較的落ち着いた状態で推移しておりましたが、中旬ごろから次第に再拡大の傾向が見え始め、「第7波」と呼ばれる全国の感染者増大、そして下旬には今までにないような感染拡大により、県は7月28日、全県に医療特別警報の発出と共に感染警戒レベル5への引き上げを行いましたが、8月に入っても連日感染者数の最高を更新するなど終息の兆しが見えず、8月8日には県内の病床使用率が50%を超え、医療非常事態宣言と感染警戒レベルの6への引き上げを行ったところであります。

さらに先週24日には、沈静化の兆しが見えてこないことから、この 第7波を抑えるため、「BA・5対策強化宣言」が発出されたことは、皆様ご存じのとおりでございます。

また、政府も同日、業務がひっ迫する医療機関や保健所の負担軽減のため、感染者の全数把握の方法を見直す方針を表明しました。

このような状況の中、長和町におきましても新規感染者数が10人前後の日が続き、ときには20人を超える日もあるなど、これまでより多くの感染者が確認されております。

感染拡大を防ぎながら経済を再生していくという難しい局面が当面続くと考えております。国の速やかな政策の実施を期待し、当町しましても全国の感染状況や国、県の対応を注視しながら、適時必要な対策を、町長として、また長野県町村会長として進めて参りたいと考えております。

60歳以上または基礎疾患をお持ちの町民への4回目のワクチン接種につきましても順調に進んでおりまして、9月中には集団接種が終わりますが、引き続き今回対象とならなかった町民皆様の接種を進めてまいりたいと考えておりますので、ご協力のほどお願い申し上げる次第であります。

 これからまた秋の観光シーズンを迎えるわけでありますが、引き続きの感染対策と、より一層の感染防止に努めていただきますよう、皆様のご協力を心よりお願いするものでございます。

【ウクライナ情勢・物価対策】

ロシア軍による突然のウクライナ侵攻から、早くも半年が過ぎました。

戦線は膠着状況が続き、終戦がますます見通せない状況となりつつあります。この侵攻は原油の高騰や物価の上昇など、世界経済にも大きな影を落としております。

この愚行の、いち日も早い終結を心から切に願うものであります。

物価高騰対策につきましても、国や県の対応を注視しつつ、町としてできることについては、積極的に対応してまいる所存でありますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

【令和3度事業実績等】

 今議会は、令和3年度決算について認定をいただく議会でもありますので、昨年度の各事業の実績をもとに、所信の一旦を述べさせていただきたいと存じます。

まず、【総務課】に関係する事業ですが、公共交通の確保では、今後もより利用しやすい運行を心掛けてまいります。

危機管理関係では、消防団と資器材の充実や自主防災組織の設置を進めておりますが、今後も防災士の育成などによって積極的に推進し、住民の災害に対する意識向上を図ってまいります。

町税の関係でありますが、令和3年度の町税収入額は約7億1600万円と前年度比4.8%の減となりました。また、収納率の点では、全体で96.5%と前年度より1.1%減となりましたが、引続き適切な収納に努めて参りたいと考えております。

次に【企画財政課】に関係する部分ですが、町の令和 3 年度一般会計歳出決算額は、およそ66億3,800万円でありまして、実質収支で2億7,000万円余りの黒字決算となりました。しかしながらこれは、1億円を超える財政調整基金などの取崩しを行って事業の実施に充てた結果であり、令和 3 年度は2億3,000万円の基金積立を行ってはおりますが、少子高齢化の進行等に加え、新型コロナウイルス感染症による社会情勢の変化により、今後も大変厳しい財政運営が続くと思われ、一層の創意工夫に富んだ取り組みに努めてまいりたいと考えております。

 移住・定住に関しましては、さらに空き家バンク制度を充実させるとともに「田舎暮らし体験住宅」を活用して町の魅力を発信し、また、町営住宅の適切な管理や宅地分譲によって定住者の増加を図り、人口減少に歯止めをかけてまいりたいと考えております。

このほか、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」などに基づく事業の推進も更に効果的な取り組みを図り、だれ一人取り残さない持続可能な、しあわせ長和町の実現、そして町の活性化に努めてまいります。

次に、【情報広報課】の関係では、毎月発行しております「広報ながわ」が令和4年5月で200号を迎えるのに伴い、東京女子美術大学に表紙のロゴタイトル作成を依頼し、読者投票を行いました。

また国が進める、地域社会のデジタル化促進に伴う、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)推進計画に対応するため、全職員を対象とした講習会の開催や、長野県自治振興組合を通じての基幹系システム共同化対応など、行政サービスのデジタル化に向けた取り組みを開始しました。

次に、【町民福祉課】の関係では、各係とも関係機関等と連携を図り適正に事業を実施いたしました。

原油価格高騰に対する低所得者世帯への支援として「長和町福祉灯油助成金交付事業」の実施、新型コロナウイルス感染症の影響で様々な困難に直面した方への「住民税非課税世帯等に対する臨時特別交付金事業」を実施しました。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、高齢者関連事業の中止等をせざるを得ない中ではありましたが、令和3年度新規事業の「短期集中リハビリプログラム」「リハビリ専門職派遣事業」等により、コロナ禍であっても高齢者の課題把握、介護予防等に取り組みました。

このほか4つの特別会計について、適正な運営を行ってまいりました。

 今後も住民の皆様、そして高齢者・障がい者やその家族からの相談や要望、また住民の皆様の生活に直接係わる各事業を通じ、住み慣れた地域、長和町で安心・安全に生活できるよう努めてまいります。

 次に、【こども・健康推進課】の関係でございます。

ながと・和田両保育園併せまして、136名の園児が元気に保育園生活を送りました。

個別支援や家庭支援につきましては、必要に応じ関係機関等と連携しながら行うとともに各園に相談窓口を設置しております。

 子育て支援関係では、子育て支援事業の実施や児童手当の給付、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている子育て世帯の生活を支援するための特別給付金を支給しました。

また、令和3年5月から町民の新型コロナワクチン接種を開始し、3回目までの接種を行いました。1回目、2回目は約9割の方が、3回目は約8割の方が接種をいただいており、ご自身と大切な人のためにも、まだ接種をされていない方は、今からでも接種のご検討をお願いいたします。

このほか、令和3年度から5年度までの3年間において、「信州大学医学部健康推進学講座」を設置し、町全体でウイルス性肝炎撲滅を目指す取組みを行っており、令和4年4月現在において、約4割の方の検査が行われました。

次に、【産業振興課】でございます。

最初に農政関係でございます。ワインぶどうプロジェクトでは、今までは獣害などにより、なかなかワインぶどうを収穫することができなかったわけですが、令和3年度においては、180kgのワインぶどうを収穫することができ約130本の長和町産ワインが完成、7月25日にワイン完成報告会を行ったところであります。

商工観光関係では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、観光業・飲食業やこれらに関連する卸小売業等に影響が続いている状況にあります。この対応として、地方創生臨時交付金を活用して、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策事業を実施しました。

地域内の店舗及び事業者等の経済対策や地域住民の皆様に対する家計の生活応援のため、町民1人あたり1万円の長和の里地域いきいき券を配布しました。また、これに併せて、子育て世帯の家計応援のため、18歳までの子ども1人あたり1万円の長和の里地域いきいき券を上乗せしました。

スキー場関係につきましては、振興公社が町の指定管理者制度により事業を実施していた部門のうち、収益部門を、新たな「公設・民営」によりまして町の指定管理により運営するという方針に基づき、新会社「株式会社マウント長和」が設立されました。

株式会社マウント長和が健全な運営を行っていくためにも、引き続き、議員の皆様方のご支援をお願いするところであります。

次に、【建設水道課】の関係でございます。

国の交付金事業である社会資本整備総合交付金事業等により、除雪機械購入事業や道路改良など6事業を実施いたしました。また、単独事業としては、地域の要望に応え道路、側溝改良工事を実施してまいりました。

災害復旧事業に関しましては、補助災害事業の繰越事業及び事故繰越事業を29箇所、町単独災害事業も123箇所で行ったところでございます。また、農業用施設の災害費復旧費では、合計4億円を執行いたしました。

上下水道関係では、上下水道事業とも公営企業法適用となり、健全な経営に務め経営基盤の強化を図ってまいります。

また、別荘関係については、「長和町別荘地マスタープラン」や「長和町観光施設事業総合戦略」が策定されたことにより、一層充実させた事業を進めてまいります。

次に、【教育課】に関する部分ですが、長門小学校においては170名の児童が、和田小学校では38名の児童が元気に学校生活を送りました。

GIGAスクール対応、ICT教育の推進のため、学習用ソフトの導入、電子黒板などの周辺機器の整備を行いました。

また、長門小学校の外壁や屋根について大規模な改修工事を実施いたしました。この改修工事によりまして、施設の約半分の改修が終了し、残りは令和4年度に実施いたします。

古町コミュニティセンター建設事業については、住民の皆様のご意見を考慮しながら事業を進めてまいりました。

令和3年度では、古町公民館の撤去工事、埋蔵文化財の発掘調査を経て、本格的な工事を進めまして、工事は本年7月末に完了し、明日、竣工式を迎えます。

すでに竣工し利用を開始しております 「山の子学園共同村」様と共に地域共生社会の実現、地域の拠点施設として多くの方に利用していただけるよう努めてまいります。

文化財の関係につきましては、長年にわたる取り組みにより、中山道の長久保宿本陣跡が、昨年度末に国の史跡に追加指定されました。

黒耀石の関連につきましては、星糞峠の史跡公園に念願の「星くそ館」が7月20日に開館いたしました。予想以上の来館者に恵まれ、また、日本遺産や各テレビ局での紹介が加わり、原始・古代ロマン体験館や黒耀石体験ミュージアムでは、新型コロナ禍で低迷している団体客に比べ、個人利用者が急増するなどの波及効果が見られる1年でありました。

最後に、埋蔵文化財の調査に関する事業でございますが、町内2か所の遺跡において発掘調査を実施し、町の歴史を解明する大きな成果を上げることができました。

以上、令和3年度における各課の実施事業の実績をもとに、述べさせていただきました。

【町の財政運営・財政指標について】

続きまして、令和3年度決算における町の財政指標について説明をさせていただきます。

まず、「実質公債費比率」でありますが、今回は11.4%となり、前年度の11.6%から0.2ポイント減少しました。

次に「将来負担比率」についてでありますが、前年度の74.8%から17.5ポイント減の57.3%となりました。これは地方債の現在高や債務負担行為に基づく支出予定額が減少していることと、充当可能な財源とされる基金残高の減少が主な要因と考えられます。

ただ、「実質公債費比率」、「将来負担比率」ともに前年度と比較して下がってはおります。双方とも、財政健全化を図る基準を下回っておりますので、令和3年度決算における財政健全化の状況は、全て健全な状況にあると言えます事をご報告するところでございます。

なお、健全化判断比率及び資金不足比率につきましては、本議会に報告案件として提出させていただいております。後ほど、担当課長より説明をさせますのでよろしくお願い申しあげます。

【補正予算】

それでは次に、補正予算案7件につきまして、順次説明させていただきます。

最初に、議案第61号「令和4年度長和町一般会計補正予算(第6号)につきまして、主な内容を説明させていただきます。

歳出につきまして、総務費におきましては、空き家改修費等補助金、 番号制度導入に伴う戸籍システム改修委託、情報化システム共同化負担金の増額補正などを計上させていただきました。

民生費においては、障がい児通所支援費、子育て世帯生活支援特別給付金事業などの実績に伴う返還金等の補正、事業費確定に伴う後期高齢者医療負担金の減額補正のほか、後期高齢者医療特別会計操出金及び介護保険特別会計への繰出金の補正などを計上させていただきました。

衛生費においては、検診申し込みなどのシステム改修委託、新型コロナウイルスワクチン接種事業に関連した経費に伴う補正を、農林水産業費におきましては、農業費では、補助事業採択に伴う事業費の組み替え補正、農地費においては、電源立地、耕地応急、耕地改良工事に係る増額補正、林業費では、補助事業の内示や確定及び実績などに係る補正を計上させていただきました。

商工費においては、温泉入館料割引券事業、スポーツコミッション補助事業、ふれあいの湯改修事業の増額などに係る補正を計上させていただきました。

土木費においては、道路修繕工事4箇所などに係る補正を計上させていただきました。

教育費においては、国際交流事業に係る減額補正などの補正を計上させていただきました。

災害復旧費においては、農業用施設について、出来高設計に係る委託料と単独事業災害復旧工事費を、林業施設については、新たに確認された災害箇所に森林環境譲与税を活用して実施する工事費を、土木施設については、単独事業災害復旧工事費をそれぞれ増額補正の計上をさせていただきました。

これらの他に、4月の人事異動などに伴う人件費の補正も計上させていただいております。

次に、歳入につきまして主な内容を説明させていただきます。

地方特例交付金並びに普通交付税の交付額の確定を受け、それぞれ増減の補正を計上するとともに、財政調整基金繰入金の減額補正を計上させていただいたほか、国・県補助金では歳出の補正予算で計上させていただきました各事業の事業費の確定に伴い、それぞれ補正を計上させていただきました。

また、令和3年度決算に伴う繰越金に係る補正及び臨時財政対策債の発行額確定を受けての町債の減額補正も計上させていただいております。

以上、一般会計全体で1億1,739万6千円の増額をお願いするものであり、補正後の予算総額は、65億3,969万1千円であります。

続きまして、議案第62号「令和4年度長和町国民健康保険特別会計(事業勘定)補正予算(第1号)」から議案第67号「令和4年度長和町和田財産区特別会計補正予算(第1号)までの特別会計等の補正予算についてご説明申し上げます。

これらの補正予算につきましては、令和3年度決算に伴う繰越金の補正が共通しております。

主な補正としまして、国民健康保険特別会計においては、令和3年度の普通交付金の清算に伴う雑入及び償還金、医療給付費、後期高齢者支援金、介護納付金の決定による補正、後期高齢者医療特別会計においては、広域連合納付金などの補正、介護保険特別会計においては、保険料及び 保険給付費に関する国庫・支払基金の決定等による補正、また令和3年度の実績による国・県・支払基金への償還金の補正、同和地区住宅新築資金等貸付特別会計、観光施設事業特別会計、和田財産区特別会計補正予算におきましては、繰越金に伴う補正などを計上させていただきました。

以上、本定例会に提案させていただきました議案について概要を説明させていただきました。

詳細につきましてはご審議の際、それぞれ担当者より説明を申し上げますので、原案をご承認賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明といたします。

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総務課 総務係
TEL:0268-75-2040
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