令和7年3月 長和町議会第1回定例会 町長提案理由
令和7年3月 長和町議会第1回定例会 町長提案理由
【はじめに】
昨年の冬は暖冬でしたが、今年の冬は寒波の影響を受け、寒く厳しい冬も感じることもありました。
暦の上では春を迎え、寒さの中にも一雨ごとに春の陽気を感じる今日この頃でございます。
町内でも福寿草が顔をのぞかせ始め、次なる季節の訪れも、もう間もなくではないかと待ち遠しく思うところでございます。
本日は、長和町議会3月定例会を招集いたしましたところ、大変お忙しい中、議員全員(各位)の御出席を賜り開会できますこと、また日ごろより町政の運営に対してご理解とご協力をいただいておりますことを心より感謝とお礼を申し上げる次第でございます。
さて、新型コロナウイルス感染症につきましては、コロナ危機を経験し一連の取り組みにより露呈した保健や医療の脆弱性や課題から、行政として様々な観点で「いのち」と「暮らし」を守る事の大切さを再度認識すると共に、多発する様々な災害からの教訓を生かしながら、ウィズコロナからポストコロナに合わせた働き方や生活など様々な変化の変遷に合わせた、本当の意味での「しあわせ長和」、「健康長和」を改めて目指してまいりたいと考えております。
つきましては、今後ますます高齢化社会が進展する状況の中で、医療と行政が一層連携を強化し、「医療・介護・福祉」の一体的な住民サービスを提供できるようにするため、令和7年4月から依田窪病院医師1名を「まちづくりアドバイザー」として、医療や認知症などの専門的な相談がしやすい体制を構築するとともに、町の将来構想や計画策定に参加・参画いただき、更に安心・安全なまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
【社会・経済情勢等】
さて、本年の社会経済情勢は、世界経済では新型コロナ禍前の水準に比べ低水準の成長が予想され、日本経済では、物価を上回るペースで賃金の上昇するケースが一部ではあるものの、まだまだ個人消費の持ち直しへは、ほど遠い状況にあるように感じるところでございます。
また、米国ではトランプ大統領が返り咲いたことで、保護主義的な政策運営がなされる可能性があり、世界経済に大きな影響を与えることが懸念されております。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、3年が経過し長期戦となっております。
他にもパレスチナ問題など、多くの地域で紛争や内戦が続いております。
それらの影響の一つである物価上昇は、広く社会経済活動に大きな影響を与え続け、生活を直撃し、国の地方創生臨時交付金事業による対策をもっても未だに解決できない現状となっております。
長期戦になればなるほど、大勢の民間人や社会的弱者の犠牲者やインフラの破壊は多くなります。
子どもたちに与える影響も大変深刻であると考えますので、トランプ効果により、一刻も、そして一日も早い終戦を期待すると共に、待たれるところであり、早期に平和が訪れますことを改めて心からお祈りするところでございます。
【条例案件】
それでは、本議会に提案申し上げました議案につきまして、順次説明いたします。
まず、議案第2号から第16号までの条例案件をご説明いたします。
議案第2号「長和町一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、令和6年度の人事院勧告及び長野県人事委員会の給与勧告を受けて改正を行うものです。
次に、議案第3号「長和町国民健康保険税条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、国民健康保険税の県統一化に向けた保険税率の改正等を行うものです。
次に、議案第4号「長和町税条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、関連する法律の改正を受けての改正となっております。
次に、議案第5号「長和町廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、長和町廃棄物対策検討委員会による協議結果を受けて、料金等に関する改正となっております。
次に、議案第6号「長和町電気自動車等用充電器の設置及び運用に関する条例」の制定につきましては、充電器の更新に合わせて専用アプリ等に関する改正となっております。
次に、議案第7号「長和町景観審議会条例を廃止する条例」の制定につきましては、「長和町景観条例」の制定に伴い廃止するものでございます。
次に、議案第8号「長和町家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、同基準の一部改正に伴う改正でございます。
次に、議案第9号「刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例」の制定につきましては、刑法の改正により拘禁刑が創設された事に伴い、改正をするものでございます。
次に、議案第10号「長和町職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、人事院規則の一部改正に伴う改正となっております。
次に、議案第11号「長和町非常勤消防団員に係る退職報償金の支給に関する条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、消防団員等公務災害補償等責任共済等に関する法律の一部改正を受けての改正となっております。
次に、議案第12号「長和町消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令の一部改正を受けての改正となっております。
次に、議案第13号「長和町営ブランシュたかやまスキー場条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、夏期シーズンにおける料金の新設に伴う改正となっております。
次に、議案第14号「長和町直営別荘地用機械器具貸与に関する条例を廃止する条例」の制定につきましては、利用実績と機器の故障に伴い廃止するものでございます。
次に、議案第15号「長和町直営別荘地管理棟等条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、昨年12月に「山の家」が解体されたことに伴う改正となっております。
次に、議案第16号「長和町営開発地テニスコート条例の一部を改正する条例」の制定につきましては、老朽化により利用できないテニスコートの廃止と料金の改正となっております。
【予算編成】
次に、令和7年度当初予算関係について説明させていただきます。
最初に令和7年度予算編成にあたっての基本方針について述べさせていただきます。
猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大による混乱は、令和5年の5類移行に伴い、人々の行動制限も解除され、落ち着きを取り戻しました。
しかし、この新型コロナウイルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻に端を発した物価高騰の波は、未だに収束の兆しが見えない状況となっており、住民の皆様の生活に大きな影響を与え続けています。
町としましても、でき得る限りの対策を講じていきたいと考えているところであります。
このような状況の中で、令和7年度の予算編成につきましては、
・自然災害への危機管理の強化
・少子化対策として子ども子育て支援体制の充実強化
・デジタル社会への対応やDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
・長和町気候非常事態宣言に基づく地球温暖化対策の推進等
を重点事項とし、町民皆様の「しあわせ」につながる事業を実施することができる予算編成としました。
また、私の公約であります「Nagawa Next Vision 5.」に掲げた8つの宣言、そして101の約束を確実に推進し、町がおかれている厳しい財政状況を考慮しながらも、「誰一人取り残さない持続可能な長和町」「誰もがしあわせ感を実感できる長和町」を目指した予算編成としたところでございます。
以上、令和7年度予算編成につきましては、今まで述べさせていただいたことを基本方針として予算編成を行ったところであります。
【令和7年度予算の概要】
さて、令和7年度当初予算につきましては、一般会計が60億7,800万円、和田財産区特別会計を除く、6つの特別会計の合計が21億8,310万円で、一般会計と6つの特別会計の総額は82億6,110万円となっています。
一般会計につきましては、前年度と比較して1億500万円、率にして 1.8%の増、特別会計6会計につきましては、8,420万円、率にして4.0%の増となっております。
一般会計、特別会計の総額では、前年度と比較して1億8,920万円、率にして2.3%の増となっております。
主な事業としましては、脱炭素関連では、住宅用太陽光発電システム設置補助金、住宅用蓄電池システム設置補助金、デジタル社会への対応関連では、基幹システムの標準化対応を進めるほか、町内巡回バスにおける地域連携ICカードへの対応、防災関連では、地域防災計画等の改定、個別避難計画の策定、防災備蓄品の充実などを行います。
そのほか、依田窪医療福祉事務組合への負担金、上田地域広域連合への負担金、各特別会計への繰出金をはじめとした、これまでの継続事業に関連する予算、町内に整備される障がい者等福祉施設への整備事業補助、ブランシュたかやまスキー場の施設整備、橋梁保全工事や道路修繕工事、二十歳を迎えます合併20周年記念事業などを計上しました。
【特別会計】
次に、議案第27号「令和7年度長和町国民健康保険特別会計(事業勘定)予算」から、議案第33号「令和7年度長和町和田財産区特別会計予算」について説明をさせていただきます。
最初に、国民健康保険特別会計ですが、当初予算額は、前年度と比較して7,900万円増額の、8億5,900万円といたしました。
一般被保険者療養給付費の増額が主な要因となっております。
国民健康保険歯科診療所事業特別会計につきましては、前年度と比較して500万円減額の、1,000万円の予算額とさせていただきました。
これは、人手不足により休診日の増加が要因となっております。
後期高齢者医療特別会計につきましては、予算額は1億1,070万円であり、前年度比で1,550万円増額となりました。
これは、後期高齢者医療広域連合納付金の増額が主な要因となっております。
次に、介護保険特別会計につきましては、前年度より700万円減額の11億200万円の予算額とさせていただきました。
これはサービス給付費の減額が主な要因となっております。
同和地区住宅新築資金等貸付特別会計につきましては、前年度より30万円増額の740万円とさせていただきました。
観光施設事業特別会計につきましては、前年度より 140万円増額の
9,400万円とさせていただきました。
各別荘地の維持管理業務を実施するとともに、別荘地の道路整備に使用する清掃車両借り上げ料の増が主な要因となっております。
和田財産区特別会計につきましては、前年度より580万円増額の900万円とさせていただきました。
歳入では繰越金、歳出では予備費の増が主な要因となっています。
【企業会計:上水道事業・公共下水道事業予算】
次に、議案第34号 令和7年度長和町上水道事業会計予算及び議案第35号 令和7年度長和町公共下水道事業及び排水処理施設事業会計予算の企業会計について、説明をさせていただきます。
上水道事業会計予算につきましては、これまで通り適切な水の供給に努めるとともに、アセットマネジメントの結果に基づき、老朽化している施設等に対する修繕など計画的に進めて参ります。
また、施設等の老朽化に伴い、美し松別荘地の水道改良工事基本計画策定業務、滝ノ沢地区水道改良工事実施設計業務を実施し、令和8年度以降予定しております改良事業着手に向けて進めて参ります。
公共下水道事業関係予算につきましては、長門水処理センターの耐震診断を実施し、ストックマネジメントの結果に基づき、効率よく計画的に施設等の改善を実施する予定でございます。
経営の独立採算を目指した、健全化を研究・検討し今後の取り組み方針を定めて参りたいと考えております。
以上、一般会計・特別会計、企業会計それぞれの令和7年度予算の概要となりますが、後ほど、それぞれの担当課長から予算概要及び主要事業について説明をいたしますので、よろしくお願いいたします。
令和7年は、私の5期目の任期の最終年となります。町民の皆様の「しあわせ」実現に向けて、各種事業の推進を一層加速させていく所存ですので、議会の皆様、また、町民の皆様方の一層のご支援をお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【補正予算】
次に、令和6年度補正予算関係について説明させていただきます。
最初に、議案第17号「令和6年度長和町一般会計補正予算(第8号)」について説明させていただきます。
今回の補正予算につきましては、歳入歳出とも、人事異動及び給与改定に伴う人件費の補正や各種事務事業の実績及び実績見込みに関する補正が主なものとなっています。
これらの補正以外の主な補正予算としましては、まず、地方交付税の関係ですが、普通交付税の再算定に伴い、普通交付税が追加交付されることになったため、普通交付税を増額する補正予算を計上させていただきました。
普通交付税の総額は28億2,895万2千円となります。
また、追加交付された普通交付税につきまして、臨時財政対策債の償還費分を減債基金に積み立てることとなっていますので、この関係の補正予算も計上させていただきました。
また、国の「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」により創設された「新しい地方経済・生活環境創生交付金」の中の「地域緊急防災整備型」を活用した消防備品の購入に係る補正予算を計上させていただきました。
また、旧長門小学校の校長住宅の土地及び建物の売却に係る補正予算、ブランシュたかやまスキー場施設整備に充当する起債につきまして、辺地対策事業債の一部を過疎対策事業債に振り替える補正予算も計上させていただきました。
次に「議案第18号 長和町国民健康保険特別会計(事業勘定)補正予算(第3号)」から「議案第23号 和田財産区特別会計補正予算(第2号)」までの特別会計補正予算について説明させていただきます。
特別会計の補正予算につきましても、一般会計の補正予算と同様に、給与改定等に伴う人件費の補正や事業の実績及び実績見込みに伴う補正予算が主なものでございます。
これら以外の補正予算としましては、国民健康保健特別会計におきまして、県負担金である特別調整交付金に係る補正予算、これに伴う直営診療施設運営分繰出金に係る補正予算を計上させていただきました。
また、介護保険特別会計の補正予算につきましては、約3,300万円の減額補正予算を計上させていただいていますが、各種給付費の実績及び実績見込みに伴います給付金に係る補正予算と、給付金に係る国県支出金の補正予算等を計上させていただきました。
次に、企業会計の関係となります、議案第24号「長和町上水道事業会計補正予算(第1号)」及び議案第25号「長和町公共下水道事業及び排水処理施設事業会計補正予算(第1号)」の関係について説明させていただきます。
上水道事業会計補正予算と公共下水道事業会計及び排水処理施設事業会計補正予算の関係ですが、人事異動及び給与改定に伴う補正予算を計上させていただきました。
補正予算関係につきましても、後ほど、担当課長より詳細について説明しますので、よろしくお願いいたします。
【指定管理者の指定】
次に、議案第36号から議案第37号の指定管理者の指定について説明させていただきます。
議案第36号につきましては、「長和町資料館『羽田野』」の指定管理者を引き続き、「株式会社米屋鐵五郎」とするものでございます。
議案第37号につきましては、「長和町特産物直売所(和田宿ステーション)」の指定管理者を引き続き、「和田宿ステーション観光農林業振興組合」とするものでございます。
【ふるさと基金権利放棄】
続きまして、議案第38号「上田地域広域連合ふるさと基金に係る権利の一部を放棄することについて」説明させていただきます。
これは、例年と同様に、令和7年度に実施する地域医療対策事業に、ふるさと基金を取り崩して充当するものであります。
以上、本定例会に提案させていただきました案件について、概要を説明させていただきました。
詳細につきましては、ご審議の際、それぞれの担当者より説明を申し上げますので、原案を御承認賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明といたします。
令和7年2月27日
長和町長 羽田 健一郎
更新日:2025年02月27日